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障害のある夫婦

聴覚に障害のある夫婦が子供を持つことを決断し、赤ちゃんを育てその子は立派な成人になりました。子育ての大変な時期をどう乗り越えて現在はどのような生活をされているのかインタビューしてみました。

子供時代は

大阪にお住まいで、ご夫婦でお仕事をされている高田様は50代のご夫婦です。健聴者の男の子、一人息子さんを育ててきて、その経験からお話しをお聞きしております。ご家庭では息子さんは少し日本手話がわかりますので、日本語と日本手話の会話です。お母様は物腰の柔らかい方でお子さんの夢を実現させてあげたいという、理解のある素敵な方です。

1.ご夫婦が聴覚障がいがあるということですが、お子様を生もう、育てようと決意された気持ちを教えてください。

→ 聞こえない先輩が子育てに苦労しているのを見ていたので、私たちに出来るかな?と思いましたが、それでも子どもは欲しいと思い、いろいろと悩みました。でもその先輩が「悩んで悩んでよくよく考えて決めて産んだなら、子どもがいつかわかってくれるよ。」とアドバイスいただきまして、産む決心が出来ました。

2.そういった環境の中でどのようなことに注意をして子育てをしてきましたか?

→ 社会で普通に生活出来るようにと願い、小さい時から手話通訳はさせないと決めていました。

3.お子さんは小さい時はどんな様子でしたか? 泣き虫、元気とか、、

→ 自分の意思をしっかり持っていて、いつもニコニコしている優しい子どもでした。なにか始めようという行動は、時々遅かったかもしれません。

4.お子さんにとって学校での様子はどうでしたか?   いじめとか困ることがありましたか?

→ 小学校の時のいじめは、たくさんありましたが、息子は黙ってお友だちをかばっていました。

いじめたお友だちのお母さまからの謝りの電話や学校からの連絡で、いじめを知ることが多かったです。私たち親が知らなかった様子を見て、相手は息子が黙っていたことを知って感銘なさったようで、息子のことを大好きになってくださいまして大変嬉しい思い出があります。私たち夫婦は抗議はしないで、夫婦で学校へ行って、担任の先生から報告をいただいてから、廊下で黙って立ったまま見守ることを何度もしました。何人かのクラスメートがやって来て私達に話しかけて来るので、私達は笑顔で答えているうちに、クラスメートから息子へのいじめがなくなりました。私たち夫婦が廊下に立ったまま見守るのを受け入れてくださった学校に心から感謝します。素晴らしい学校でした。

中学校と高校は、寮生活で、寮の先生がしっかりと見てくださって、きちんと報告してくださったので、全てを寮の先生に任せました。この学校も素晴らしかったです。

3人の楽しい家庭

5.ご家庭はどんな雰囲気ですか?

→ 私達家族3人は何でも話し合いをすることにしていて、ジョークもありいつも和やかです。

6.家族で意見の合わない時はどのように対処しますか?

→一旦、話し合いを中止して、時間を置きます。その時によりますが、第三者に手伝っていただくこともありますが、ほとんどは、母親の私と息子でゆっくりと話し合って解決します。

7.家族で大事にしていることはありますか?→ 心に余裕を持つことと思います。

8・ 父親と息子さんの反抗期の時期はどのような関係でしたか?

→ 父親は、難聴で職人タイプなので、叱ることが多かったのですが、最近は二人でよく話していて、父親と二人で出かけることが多くなり嬉しく思っています。

9.どんな時に幸せを感じますか?→ 息子や夫と笑顔で会話している時です。